ねこの演劇レポート その1

今回見に行ってきたのは、来年で20周年を迎える「演劇集団キャラメルボックス」という劇団です。この劇団と出会わなかったら、演劇を観ている自分がないというくらいの存在で、演劇を何も知らなかったころTokyoWarkerなどの雑誌で特集されていて、どんなものかと観てみたら役者さんの熱演にすっごく感動しました。それから新作は必ず足を運んで観にいってます。
そんなキャラメルボックスの最新作は「SKIP」。これは北村薫という方の同名の小説が原作になっているもので、小説を舞台化するのは初の試みです。芝居をみて率直な感想は、やはり代表であり脚本・演出を手がける成井豊の演劇が見たかったです。成井ファンタジーというべき作品は、登場人物も暖かく、「悪い人なんで誰もいないんだいっ!」というのが前面に出ています。話も理解に苦しむようなものはなく肩の力を抜いて、笑って泣けるお芝居なんです。まあ、文学的な作品を好む人々は「女子供がみる演劇」とか「商売やりすぎ」など言いますが、1作品で2万人を超える来客数を出し、マニアしか見なかった演劇をここまで広げた実績は評価すべきだと思います。


さてキャラメル論になってしまったところで、話を「SKIP]に戻します。この物語は、17歳の高校生が昼寝から目が覚めると25年の歳月を飛び、42歳になっていたという設定です。自分の記憶にはない夫がいて、娘がいる。そんな状況に戸惑いながらも一歩一歩力強く生きていく話です。普通なら25年も時を越えて老いた自分をみたら茫然自失ですよね。
この作品を観て、日々時を刻むことの大切さを改めて知りました。この10年振り返っても辛いことや楽しいこといろいろあったけど、それらがあったからこそ今の自分がいると胸を張れるように、今後も頑張っていこうと思います。
今日で三十路を迎えました。そういう意味では今回の演劇は自分にとって意義のあるものでした。新たな出発点に立ったということで・・・ まずはゴロゴロと寝てますか(をぃ


演劇集団キャラメルボックスhttp://www.caramelbox.com/